洋子は40代半ばとはいえ身だしなみにも気を使い、年齢相応とは言え若いころは端麗であっただろうことを容易に想像させる美しさを保っていた。
そんな洋子がよしきを知ったのは、ここ1〜2年の間に巷で話題となったネット上のSNSというコミュニティの中であった。たまたまよしきがSNSのとあるコミュニティに書き込みをしたのを洋子が見かけたのがきっかけだった。
女性へはデリバリーホスト指名を、男性へはデリバリーホストそのものへの勧誘を目的としたその書き込み自体は、洋子の興味を引くものではなかったが、その文体が洋子の眼を引き止めたのだった。
"おもしろい文章を書く人だわね…" 洋子は内容よりもそれを書いたよしきに興味を持ち始めていた。
洋子は夫と二人暮らし。自宅で出版社の下請けとして本の挿絵を描いていた。特にかわいいテディベアの絵を得意としていて、仕事の依頼がなくても何枚も描き連ねていた。
洋子はよしきのようなデリバリーホストとはおおよそ接点など必要のない部類の女性のはずだった。
"へぇ〜。レンタル彼氏から力仕事まで男性を必要とすることなら何でも、ですって。出張ホストっておもしろいわね。" 洋子は思った。
"面白そうね。今度1時間だけお茶に付き合ってもらおうかしら。"
洋子は自宅のPCから”夢中”〜In The Dream〜 のサイトを開き、よしきを探した。
"まぁ、いろんな方がいるのね。ホストっぽい人もいるし、この人なんてずいぶん若いじゃない…"
そんなことを思いながら洋子はよしきを探し当てた。そこには初めて目にするよしきの写真もあった。
"こんな人なんだ…" そう思いながら、いつの間にか洋子はよしきにより具体的な興味を持ち始めた。
"普段は会社員なのに出張ホストもやってるなんて何故かしら…"
"家族はいないのかしら、彼女、いいえ、奥さんは?"
とりとめもなく疑問が湧いてきた。
洋子はPCを操作し、翌週の午後に3時間の予約ができないかと予約フォームに記した。最初はほんの1時間お茶をするだけのつもりだったのに。
〜続く〜
洋子がよしきに予約を入れたサイト
”夢中”〜In The Dream〜
PC:出張ホスト
携帯:出張ホスト 携帯